眠れないどころの騒ぎじゃない
そしてスタートした入院生活、点滴や導尿の管に繋がれ、動かない身体で仰向けに横たわる。
ナースコールは勿論、押すことなんて出来ない上に、息を吹きかけて使うブレスコールなる物も、足りてないらしく
「何かあれば大声で呼んでください」
詰所まで届くのか不安でならない。
眠ろうにも激しい痛みや痺れ、自律神経までやられて高熱に苦しまされる。
「すみませーん、すみませーん!」
間もなく看護師さんが来てくれた。
「どうされましたか?」
私「喉が乾いて辛いです、水を飲ませて頂けませんか?」
「申し訳ございません、頸髄損傷の初期状態で誤飲する可能性が非常に高く、とりあえず今夜は飲む事が出来ません」
私「身体も熱くてたまらないんです、一口だけでも」と、懇願する。
しばらくしてガーゼと水を持って私の元へ。
「ガーゼに水を染み込ませ、口の中を拭くことしか出来ませんが、これで我慢してください」
自分で怪我してこうなったのだから文句も言えない。
でも、その僅かな潤いは嬉しいものだった。
どうしても辛い痛みと痺れ、事細かく夜通し身体の向きを変えてもらったり、腕をもんでもらったり、さっそく面倒くさそうな顔をされる立場になってしまった。
こんな事が生涯続くのかと思うとあの事故で死ねれば良かったと、心底おもえた。
今夜はここまで、続きはまた。