二週間程経って
入院生活が二週間程経っただろうか。
首にはコルセット、ステロイドの点滴は入院三日で外れたが、導尿のバルーンは繋がれてる状態。
毎日のバイタルの時間と食事とリハビリ、それが唯一の楽しみ。
この日、まさかの出来事が身体に起きていたとは…
「褥瘡」
そう、寝たきり故に出来てしまった。
看護師さんが気付いて手当てをしてくれたのだが、これはショック。
担当医も来て、後の入院生活では細かくチェックする事になった。
褥瘡委員会なるものが見廻りに来たり。
幸い小さなもので、自然と治るらしい。
「座りたいなぁ」
寝たきりって本当に辛いです。
そんなある日、いつもの様に身体に動くよう頭から司令を送って頑張ってたのだが、なんとなく意識した左腕が、天井目掛けて動いたのだ!
これには思わず声が出た。
「お、おお!動いた!」
これだけだが、その日は記念すべき日だった。
嫁さんが着替えを翌日持ってきた時、
「見て!ほら!」
左腕を上げる。
「お!すごいやん!他の所もまた動くようになるよ!」
そしてこの日、大きな希望に繋がるかもしれない知らせが嫁さんの口から。
「うちの病院の脊髄損傷病棟の有名な先生が診てくれるって!」
「従業員の家族でしょ?転院させておいで、手術が必要か、それも診てあげるから」
嫁さん「点滴が外れていれば転院は出来るはずだから、そう聞いた、早速主治医の先生に申し込んでくる!」
その病院は地元の病院で、嫁さんの勤務先なのだが、どうやら脊損病棟という物が近年出来たらしく、そこの先生が脊髄損傷の有名な先生らしく、普段紹介なしでは診てもらえないらしい。
絶望に全てを諦めた日々に明るい光が刺した。
「ああ、楽しみだな、早く転院の日が決まりますように」
この日ほど医療従事者の嫁さんに感謝した事はないだろう(失礼)
さて、今夜はここまで、続きはまた。