リハビリ病院、コミュニケーション
ひと騒動(起こして)ある意味有名人。
しかしその行動で、他の静かな部屋が空くまでの1週間、個室を無料で使わせてもらったり、何より仲の良い人が出来た。
特にムードメーカー的な人、この方はこのリハビリ病院生活で、最も話するのが楽しみな程仲良くなれた人である。
自販機でリハビリの休憩中、同じ休憩タイミングで訪れては、
「今日もリハビリしんどいなぁ」
「無理して歩いてこけん時や、また三ヶ月のびるでぇ」
「今日のメシもがっかりやな、ワシは部屋でおにぎりせんべい食べるねん」
他にも色々怪我の事やら話してくれるので、この人が居てくれて良かったと感謝した。
調子の悪い日はマッサージと世間話なんかはありがたかった。
作業療法「〇〇さん、今できるようになりたい事はなんですか?」
「そうですねー、とりあえず来来亭行って自助具なしでラーメン食べたいです」
作業療法「いいですね、頑張りましょう」
そんな一時は楽しくもある。
自助具、もう大半捨ててしまったが、ペットボトルを開けるアイテムや、指を穴に通して使うお箸等、おかげで1人で飲食を取れる事も増えました。
ベッドでペットボトルのコーラを飲みながらテレビを見るのが夜の楽しみ。
夜も深けて、静かなロビーには御年配の騒ぐ声。
こういった方たちは夜暗くしたロビーの詰所の前にベッドを置かれ見守られる。
「家帰るんや!電話かしてくれ!」なおじいちゃん、
「助けてください、お願いします、助けてください」なおばあちゃん等、
夜は介護施設である。
朝になると食事のテーブルで、
「〇〇さん、まーたあの人ら、騒がしかったなぁ、夜中眠れんから、喫煙室にタバコ吸いに行って、明け方部屋に帰ってきたんや」
気の毒である。
ただこの人、みんなの事を常に気にかける、本当に優しいお方。
夜就寝前には詰所で、早めに薬飲ませてあげたら?とか、もしくは当人に
「〇〇さん、明日も仕事早いんやからもう休んでや」などと、とにかく良い対応をするのだ。
ある夜静かな詰所、あの人がタバコ帰りに詰所で談話する姿。
私はトイレに行きがてら会釈して、心で思う。
「グッジョブ!」
静かな夜、良い物だ。
今夜はここまで、続きはまた。