転院、そして地元へ

待ち焦がれた転院の日が訪れた。

担架で救急車に乗せられ、地元の病院へ。

もちろんサイレンは鳴らさず、普通に移動する。

救急車の窓から見える景色、久しぶりに見慣れた景色を目の当たりにして、嬉しさと希望が胸に込み上げる。

約30分程で到着、地元の良く知る病院、嫁さんの勤務先でもある病院。

救急車から降ろされ、担架から見上げる景色、

「あぁ、帰ってきたんだな」

病院とは言え、地元の景色が嬉しかった。

受付で手続きしてもらい、病室へ案内されるのだが、その前に運んできた職員の扱いが雑。

がっちゃん!どかっ!

担架の下ろし方が荒くて骨折に響く。

初めての大部屋、しかしこの時は広い部屋に、広いスペース、6人部屋に私ともう1人の方の2人、静かなものだった。

「大部屋って、もっと窮屈なスペースで、プライバシーなんてないものかと思ってたけど、ここはキレイだし広くて落ち着くね」

嫁さん「昨年出来たばかりだからキレイなんだよ」

元の産婦人科が無くなり、増築、改装されたらしい。

前の病院での塩対応のトラウマがある私。

全介助なので、また嫌がられるのかと思うと不安でならない。

「また、前の病院みたいに嫌な目に会うのかな?不安でたまらない…」

嫁さん「大丈夫だと思うよ、職員の家族だし。」

嫁さん「まあ、私の職場だし、仕事終わったら顔出すから何かあったら言って」

心強いうえに、面会にも仕事終わったら来てもらえる嬉しさにホッとする。

この部屋は窓から外が見える、窓際のスペース。

とりあえずは良い感じ。

「うれしいな、ここなら外が見えて地元に帰ってきた感じが楽しめる」

青い空、見慣れた看板、基本寝たままだから、何かのタイミングでしかよく見えないけど。

看護師さんも良い雰囲気、この日はとりあえず安心した。

 

今夜はここまで、続きはまた